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  天真爛漫なキャラクターと超実力派な歌唱力で人気を博している歌い手/YouTuber・めいちゃんの楽曲「あなたと最後」のMVの映像制作を、たそやマロが担当しました。

 

たそやマロ コメント

ボーカルのめいちゃんさんのことは「小悪魔だってかまわない!」から存じ上げておりまして、中でも「あっけない」の曲が好きで、普段より作業中によく聴いております。
作詞・作曲のSARMさんも、「BONBON GiRL」がショート動画で聴かない日が無いほど広く知れ渡っていたのは記憶に新しいですし、ボーカルを担当された楽曲「シャーデンフロイデ」もよく聴いております。
「あなたと最後」は、SARMさんの作風が効いたレトロジャズな音をめいちゃんさんが中性的なボーカルで歌い、アルバム「やきそばパン」の中でも異質的な存在で、なんとも優雅でおしゃれな曲になっています。
レトロな音質やジャズ調の楽曲を得意とする私の作風ともよく合いまして、MV投稿前より、曲から私の作風を連想してくださった方々が複数いたほどでした。
MV制作をする際、カラーパレットから決めていく私ですが、今回楽曲から最初に連想した色は茶、差し色としての赤。
この二色をメインとして見せるため、普段のカラーパレットは維持しつつ、緑の彩度を落として、濃い赤を足しました。
以下は、私が映像制作する際に設定したストーリーの解説です。

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男は狼、女は猟師。
心に穴が空いたまま生きていた女が 最初で最後に愛された物語。
自分の容姿に自信があり中身に自信がない女の 歪な自尊心は攻撃性になって現れる。
試し行動を繰り返す女と、 素顔(≒本性・本質)を見られるところまで 踏み入られることに耐えられない孤独と自由を愛する男。
現代的に言えば、愛着スタイルでいうところの 不安型の女と回避型の男の なんて特別なことはない、よくある恋愛の一部始終。
女のデザインはチョーカーありきで作られている。
自分のアイデンティティになる、 重要なものを差し出してしまう、重い依存。
最後に女の手元に戻り、再び付けることで、 その姿の完成度で、本来の女の姿を再認識させる。
最後に流れる赤い涙は男に注がれた愛かもしれないけど、 忘れてはいけないのは、女は決して愛される前の姿に戻ったのではない。
少し零れたかもしれないけど、確実に体の中に残っている。
これが最後の恋と決め、”あたしはあたしになる”覚悟を決めた、 女の最後の姿は、痛くも美しい完成品なのだから。 ——————————————————