一度聴いたら忘れられない中毒性の高いエモーショナル・ボイス。 中性的かつ感傷的な歌声と切なさを纏ったハイトーンが特徴的で、作詞・作曲も自身 で行うアーティスト、菅原圭の楽曲「遊霊婚」のMVの映像制作と、配信用ジャケットイラストを、たそやマロが担当しました。
菅原圭さんのことは以前から存じておりまして、特に「熱帯夜」が好きで普段よりよく聴いておりました。
裏声と地声を行き来する時の、スムーズなのに掠れたような質感が特徴的でたいへん好みでありまして、
本楽曲「遊霊婚」でも大いに感じることができます。
歌詞や声から微かに感じられる不穏さと和風でめでたいサウンドが混ざり合って、理解したいと何度も聴くうちに、耳に残るメロディラインと圭さんの歌声の虜になります。
MV映像では楽曲からのイメージと事前にお伝えいただいたざっくりとしたストーリーを元に、肉付けをし仕上げています。
ストーリーの表現として外すことができなかったのが、歌詞にもある「潮」。
普段使いのカラーパレットは赤と緑の構成ですが、潮の表現としての青を外すことができず、今回の映像は青を起点にカラーを決定しました。
ハレーションを起こす青と赤、遊女の白い肌。普段のカラーより少しだけコントラスト・明度・彩度の高い構成で、本楽曲の陰と陽をないまぜにしたような部分を表現したいと思いました。
ストーリーの時系列と抽象表現が混沌とした構成になっているので、何が起こったのかを伝えるという点に奮闘しました。
金魚をモチーフにした遊女のデザインは見どころの一つで、鱗のような前帯、ヒレのような髪飾り。
襟に入った青海波(せいがいは)は、穏やかな波が続いている様子を表現した模様です。
細かい部分にも着目しながらお楽しみいただけたら幸いです。